ブラック・ブレッド（2010）　～　洋画　ミステリー・ドラマ　～

『ブラック・ブレッド』（原題：Pa Negre / 英題：Black Bread）は、2010年に製作されたスペイン・フランス合作映画。
内戦が終息した1940年代のスペイン・カタルーニャを舞台に、とある森で起きた殺人に巻き込まれた少年の姿と事件の意外な真相を描くミステリー・ドラマ。
原作は、内戦後のスペイン・カタルーニャ地方を舞台に綴られたエミリ・テシドールの同名小説が基になっており、また、同じテシドールの小説「Retrat d'un assassí d'ocells」と「Sic transit Gloria Swanson」の要素を加えている。
監督・脚本は「Tras el cristal (1987)」「月の子ども (1989)」のアグスティ・ビリャロンガ。
撮影は「Katmandú, un espejo en el cielo (2011)」「Mama (2013)」のアントニオ・リエストラ。
音楽は「欲望の裏側 (1986)」「ラ・セニョーラ/砂の愛 (1987)」「EYES -眼- (1987)」「En brazos de la mujer madura (1997)」のホセ・マヌエル・パガン。
主演はオーディションで選ばれた新人のフランセスク・コロメール。
共演は「ニノの空 (1997)」「堕天使のパスポート (2002)」「パンズ・ラビリンス (2006)」「ナイト・トーキョー・デイ (2009)」「プレイ‐獲物‐ (2010)」「マンク　～破戒僧～ (2011)」「タンゴ・リブレ　君を想う (2012)」のセルジ・ロペス、「Salvajes (2001)」「非常戦闘区域 (2002)」「女が男に落ちるとき (2004)」「Locos por el sexo (2006)」「パンズ・ラビリンス (2006)」「Henri 4 (2009)」のロジェール・カサマジョール、「ハード・スキャンダル (2005)」「The Ungodly (2007)」「天才画家ダリ愛と激情の青春 (2008)」のマリナ・ガテル、「策謀のシナリオ (2004)」「パフュームある人殺しの物語 (2006)」「悪魔の棲む森 (2008)」「シャッターラビリンス (2009)」のアンドレス・エレーラ、「フリア　よみがえり少女 (2012)」のノラ・ナバスなど。

［　公開日　］

2010年9月21日　スペイン San Sebastián Film Festival 上映
2010年10月15日　スペイン公開
2011年1月13日　アメリカ Palm Springs International Film Festival 上映
2011年4月13日　イタリア Roma Festival del Cinema Spagnolo 上映
2011年4月29日　アメリカ San Francisco International Film Festival 上映
2011年6月26日　ロシア Moscow Film Festival 上映
2011年8月24日　フランス公開
2011年9月17日　日本 Latin Beat Film Festival 上映
2012年6月23日　日本公開

【　ストーリー　】

まだスペイン内戦の傷跡が痛ましく残るカタルーニャの山の中で、ある日、11歳の少年アンドレウ（フランセスク・クルメ）は血まみれになって倒れているディオニスとその息子クレットを見つける。
クレットは「ピトルリウア・・・」という言葉を遺して息絶える。
ピトルリウアとは、村に伝わる、洞穴に住む羽をはやした怪物の名前だった。
現場の状況から殺人と断定した警察は、アンドレウの父ファリオルに容疑をかける。
鳥の鳴き声大会を開くため鳥を飼っている父だが、以前から政治的な活動により村人たちから快く思われていないのも合わさり、姿を隠すことにする。
母（ノラ・ナバス）は工場に働きに出ているため、アンドレウは祖母の家に身を寄せる。
祖母の家に同じく身を寄せる、事故で左手を失った従妹のヌリア（マリナ・コマス）らとともに新しい学校に通いはじめる。
ヌリアは学校で、教師と関係を持っており娼婦の家系であると罵られていた。
ヌリアが裸でベランダに立つところを偶然目にしたアンドレウは、ヌリアの秘密を共有することで連帯感を強める。
屋根裏から気配を感じたアンドレウが、ヌリアから手渡された鍵で屋根裏部屋を開けると、そこには父が隠れていた。
父が同じ屋根の下にいたことに驚くアンドレウ。
突如警察が祖母宅に押し入り、父は裕福な農場主のマヌベンスに話すよう伝え連行される。
その言葉通りにマヌベンス夫人に面会し父の無罪を訴えるアンドレウと母。
マヌベンスは父のために町長（セルジ・ロペス）宛に手紙を書いてくれたが、その手紙を届けに行くと、横恋慕していた町長は弱みにつけこみ母を手篭めにする。
さらに、ぼろぼろの姿で村をさまようディオニスの妻に出会ったアンドレウは、父がディオニスとともにマヌベンス夫人の弟と肉体関係を持ったマルセルという青年に残酷な罰をくだした過去を告げられる。
いよいよ死を覚悟した父から、マヌベンス夫人への手紙を託されるアンドレウ。
数日後、彼はマヌベンス夫人から学費援助の申し出があったことを知る。
父は母の必死の擁護にも関わらず死刑に処せられる。
そして、さらにある事実を知り、あまりにも多くの人間の闇を見聞きしたアンドレウは、ある決断をする・・・。

【　余談　】

本作は、第84回アカデミー外国語映画賞のスペイン代表に選ばれた他、第25回ゴヤ賞では14部門のノミネートを受け、作品賞をはじめとする9部門で受賞するなど高い評価を受けた。

【　スタッフ　】

監督：　アグスティ・ビリャロンガ
原作：　エミリ・テシドール
脚本：　アグスティ・ビリャロンガ
製作：　イソナ・パソーラ
製作総指揮：　イソナ・パソーラ、エリサ・プラザ、Lluís Ferrando 、Charlie Tello
撮影：　アントニオ・リエストラ
音楽：　ホセ・マヌエル・パガン
編集：　ラウル・ロマン
キャスティング：　ペップ・アルメンゴル
美術／プロダクションデザイン：　アナ・アルヴァゴンザレス
セット制作：　Anna Pujol Tauler
衣裳デザイン：　マルセ・パロマ
視覚効果（Visual Effects）：　サンドラ・ピチャー、ジョルディ・サン・アグスティン、Quico Noizeux 、Ricardo Pérez
特殊効果（Special Effects）：　Nahuel Acosta 、Jaime Fortea 、Gonzalo Outeda Giménez 、Marcos Sagasta 、Eloi Serra 、Oriol Tarrida 'Tarro'
メイク：　アルマ・カサル、サトゥル・メリノ、Arturo Balceiro 、Margarita Catalán 、Ana Cortés　、Samanta Crescente　、Edith Greiner 、Antoine Mancini　、Miriam Pintado 、Luis Soriano
謝辞：　Blanca Aysa

【　キャスト　】

アンドレウ（11歳の少年）：　フランセスク・コロメール
ヌリア（アンドレウの従妹）：　マリナ・コマス
フロレンシア（アンドレウの母）：　ノラ・ナバス
町長：　セルジ・ロペス
ファリオル（アンドレウの父）：　ロジェール・カサマジョール
シオー（ファリオルの姉）：　ルイーザ・カステル
マヌベンス夫人（資産家の農場主）：　メルセ・アラネガ
エンリケタ（ファリオルの妹）：　マリナ・ガテル
アンドレウの祖母（ファリオルの母）：　アリザ・クラウェット
ディオニス（ファリオルの元同志）：　アンドレス・エレーラ
パウレタ（ディオニスの妻）：　ライア・マルール
クレット（ディオニスの息子）：　ミゲル・ボラス
結核患者（アンドレウが森で出会った美青年）：　ラザロ・ムール
教師：　エドゥアルド・フェルナンデス
マルセル（ピトルリウア）：　ホアン・カルレス・スアウ
ペップ・トサル
ペレ・トーマス
ルーベン・アロヨ
ハウメ・ペラクアラ
Jordi Pla
Andrea Caro
Ramón Moreno
Manel Bronchud
Jordi Esteva
Daniel Fuster
Eva Basteiro-Bertoli
Jesús Ramos
José Ramón Lloret
Teresa Bruna
Rosa Nicolás
Arnau Pons
Jesus Ratera
Albert Gasull
Josep Maria Castellví
Manuel Bronchud

　予告

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TRAILER