パリ、テキサス（1984）　～　洋画　ドラマ　～

『パリ、テキサス』（英題：Paris,Texas）は、1984年に製作された西ドイツ=フランス合作映画。
テキサスを一人放浪していた男の、妻子との再会と別れを描いたロード・ムービー。
原作は、サム・シェパードによるエッセイ「モーテル・クロニクルズ」。
監督は「都会のアリス (1973)」「ことの次第 (1981)」「ベルリン・天使の詩 (1987)」「夢の涯てまでも (1991)」「エンド・オブ・バイオレンス (1997)」「ミリオンダラー・ホテル (2000)」「パレルモ・シューティング (2008)」「Pina／ピナ・バウシュ　踊り続けるいのち (2011)」のヴィム・ヴェンダース。
脚本は「ライトスタッフ (1983)」「ボイジャー (1991)」「ペリカン文書 (1993)」「ヒマラヤ杉に降る雪 (1999)」「ソードフィッシュ (2001)」「ステルス (2005)」「マイ・ブラザー (2009)」「フェア・ゲーム (2010)」「デンジャラス・ラン (2012)」等で役者として知られるサム・シェパードと、「ブレスレス (1983)」「ドラゴン・シンジケート (1984)」「悪魔のいけにえ２ (1986)」「PERFUME　パフューム (2001)」「ラブ＆クライム (2003)」のL・M・キット・カーソン。
撮影は「都会のアリス (1973)」「レポマン (1984)」「アメリカの友人 (1977)」「ミステリー・トレイン (1989)」「豚が飛ぶとき (1993)」「奇跡の海 (1996)」「ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000)」「コーヒー＆シガレッツ (2003)」のロビー・ミュラー。
音楽は「ロング・ライダーズ (1980)」「ボーダー (1981)」「ストリート・オブ・ファイヤー (1984)」「トレスパス (1992)」「ラストマン・スタンディング (1996)」「エンド・オブ・バイオレンス (1997)」「マイ・ブルーベリー・ナイツ (2007)」のライ・クーダー。
主演は「デリンジャー (1973)」「ゴッドファーザーＰＡＲＴ II (1974)」「エイリアン (1979)」「ツイン・ピークス／ローラ・パーマー最期の７日間 (1992)」「グリーンマイル (1999)」「インランド・エンパイア (2006)」「きっとここが帰る場所 (2011)」「アベンジャーズ (2012)」のハリー・ディーン・スタントン。
共演は「まわり道 (1974)」「レッスンＣ (1978)」「キャット・ピープル (1981)」「マリアの恋人 (1984)」「ターミナル・ベロシティ (1994)」「ワン・ナイト・スタンド (1997)」「セイヴィア (1998)」「めぐり逢う大地 (2000)」「インランド・エンパイア (2006)」のナスターシャ・キンスキーなど。

［　公開日　］

1984年5月19日　フランス Cannes Film Festival 上映
1984年9月14日　カナダ Toronto International Film Festival 上映
1984年9月19日　フランス公開
1984年11月2日　アメリカ limited 公開
1985年1月11日　西ドイツ公開
1985年2月28日　オーストラリア公開
2007年6月10日　日本 Miyazaki Film Festival 上映

【　ストーリー　】

テキサスの原野。
一人の男（ハリー・ディーン・スタントン）が思いつめたように歩いている。
彼はガソリン・スタンドに入り水を飲むと、そのまま倒れた。
病院にかつぎこまれた彼は、身分証明もなく、医者（ベルンハルト・ヴィッキ）は一枚の名刺から男の弟ウォルト（ディーン・ストックウェル）に電話することができた。
男はトラヴィスといい、4年前に失踪したままになっていたのだ。
病院から逃げ出したトラヴィスをウォルトが追うが、トラヴィスは記憶を喪失している様子だった。
トラヴィスは口をきかず飛行機に乗ることも拒む。
車の中でウォルトは、さりげなく、妻ジェーン（ナスターシャ・キンスキー）のこと、ウォルトと妻のアンヌ（オーロール・クレマン）が預かっている息子ハンター（ハンター・カーソン）のことを聞くが何も答えない。
ただ、〈パリ、テキサス〉という、自分がかつて買った地所のことを呟いた。
そこは、砂しかないテキサスの荒地だが、父と母が初めて愛をかわした所だとトラヴィスは説明した。
ロサンゼルスのウォルト家に着いたトラヴィスを、アンヌと7歳に成長したハンターが迎えた。
ハンターとトラヴィスの再会はぎこちなく、お互いのわだかまりが感じられた。
しかし、数日経つうちに打ち解けだした二人。
実の息子同然にこれまで育ててきたウォルトとアンヌは、彼らに複雑な思いを感じる。
トラヴィスの記憶が戻るようになりはじめたある日、5年前に撮った8ミリ映画をみなで見た。
幸福そのものだった自分の家庭のフィルムを見て、必死に何かをこらえるトラヴィス。
父親らしい服装でハンターを迎えに学校へ行ったトラヴィスはその日の夜、ジェーンがヒューストンの銀行から毎月ハンターのためにわずかながら送金を続けている事をアンヌから聞く。
トラヴィスは、中古のフォード・ランチェロ58を買い、ハンターにジェーンを探しに行くと告げた。
それを聞いて、ハンターは自分も行きたいと言い、そのまま共にヒューストンに旅立った・・・。

【　スタッフ　】

監督：　ヴィム・ヴェンダース
原作：　サム・シェパード　『モーテル・クロニクルズ』
翻案：　L・M・キット・カーソン
脚本：　サム・シェパード、L・M・キット・カーソン
脚色：　サム・シェパード
製作：　クリス・ジーヴァニッヒ、ドン・ゲスト
製作総指揮：　アナトール・ドーマン、パスカル・ドーマン
撮影：　ロビー・ミューラー
編集：　ペーター・プルツィゴッダ
音楽：　ライ・クーダー
キャスティング：　ゲイリー・チェイソン
アートディレクション：　ケイト・アルトマン
衣装デザイン：　Birgitta Bjerke
メイク：　Karoly Balazs
謝辞：　ロッテ・アイスナー、バーバラ・ヴォン・ヴァイターシャウゼン
日本語字幕：　吉岡芳子、柴田駿

【　キャスト　】

トラヴィス・ヘンダースン：　ハリー・ディーン・スタントン
ジェーン・ヘンダースン（トラヴィスの妻）：　ナスターシャ・キンスキー
ハンター・ヘンダースン（トラヴィスの息子）：　ハンター・カーソン
ウォルト・ヘンダースン（トラヴィスの弟）：　ディーン・ストックウェル
アン・ヘンダースン（ウォルトの妻）：　オーロール・クレマン
ガソリンスタンドの男：　サム・ベリー
ウルマー医師：　ベルンハルト・ヴィッキ
カーレンタル職員：　クラッシー・モビリー
テレビの中の女：　ヴィヴァ
カメリタ：　ソコロ・バルデス
ハンターの友人：　エドワード・フェイトン
ハンター（3歳）：　ジャスティン・ホッグ
叫ぶ男：　トム・ファレル
スレイター：　ジョン・ルーリー
ストレッチャー：　ジェニ・ヴィシ
サリー・ノーヴェル
シャロン・メンゼル
サム・シェパード
ブランディ・ティプトン
The Mydolls