ミクロの決死圏（1966）　～　洋画　ＳＦ・アドベンチャー　～

『ミクロの決死圏』（原題：Fantastic Voyage）は、1966年に製作されたアメリカ映画。
脳出血で倒れた亡命科学者を助ける為、医療チームを乗せた特殊潜航艇をミクロ化し直接体内に送り込み治療する様を描くSF・アドベンチャー。
監督は「ボディ・ガード (1948)」「海底二万哩 (1954)」「バイキング (1957)」「ドリトル先生不思議な旅 (1967)」「トラ・トラ・トラ！ (1970)」「マジェスティック (1974)」「王子と乞食 (1977)」「ザ・ファイト (1983)」「レッドソニア (1985)」のリチャード・フライシャー。
脚本「堕ちた天使 (1945)」「情無用の街 (1948)」「情炎の女サロメ (1953)」「カルメン (1954)」「北海の果て (1960)」「ブリット (1968)」「栄光のル・マン (1971)」「ダブルボーダー (1987)」「シュワルツェネッガー／レッドブル (1988)」のハリー・クライナー。
脚色は「姿なき敵 (1953)」「アマゾンの秘宝 (1954)」「空の大怪獣ラドン (1956)」「黒い蠍 (1957)」「大怪獣出現 (1957)」「タイム・マシン/80万年後の世界へ (1960)」のデヴィッド・ダンカン。
撮影は「リンダ (1929)」「最後の地獄船 (1946)」「黒い絨氈 (1954)」「宇宙の子供 (1957)」「ガン・ファイター (1961)」「テキサスの四人 (1963)」「大空港 (1970)」「2300年未来への旅 (1976)」「ドミノ・ターゲット (1976)」のアーネスト・ラズロ。
音楽は「エデンの東 (1954)」「理由なき反抗 (1955)」「勝利なき戦い (1959)」「ヘルファイター (1968)」「続・猿の惑星 (1970)」「悪魔の追跡 (1975)」「プロフェシー／恐怖の予言 (1979)」「メーキング・ラブ (1982)」「ロボコップ２ (1990)」のレナード・ローゼンマン。
出演は「二十七人の漂流者 (1956)」「日のあたる島 (1957)」「ベン・ハー (1959)」「脱走 (1962)」「ローマ帝国の滅亡 (1964)」「天地創造 (1966)」「情報局Ｋ (1967)」「殺し (1971)」「悪魔の海底黄金 (1974)」のスティーブン・ボイド、「青春カーニバル (1964)」「悪いことしましョ！ (1967)」「セメントの女 (1968)」「デンジャー (1969)」「三銃士 (1973)」「王子と乞食 (1977)」「ムッシュとマドモアゼル (1978)」TVM「ダーティ・ブラッド (1993)」「キューティ・ブロンド (2001)」のラクエル・ウェルチ、「ノートルダムの傴僂男 (1939)」「殺人者 (1946)」「恐怖の街 (1952)」「ジュリアス・シーザー (1953)」「女はそれを我慢できない (1956)」「最後の航海 (1960)」「史上最大の作戦 (1962)」「ワイルドバンチ (1969)」「殺し屋ハリー／華麗なる挑戦 (1974)」のエドモンド・オブライエン、「ピクニック (1955)」「バス停留所 (1956)」「或る殺人 (1959)」「ラオ博士の７つの顔 (1964)」「第三の日 (1965)」「サイレンサー／沈黙部隊 (1966)」「大脱獄 (1970)」「ポセイドン・アドベンチャー (1972)」「隠れ家 (1975)」のアーサー・オコンネル、「栄光の都 (1940)」「窓 (1949)」「必死の逃亡者 (1955)」「アラビアのロレンス (1962)」「ネバダ・スミス (1966)」「悪魔の墓場 (1974)」「センチネル (1977)」「マフィア血の掟 (1985)」「サインズ・オブ・ライフ (1989)」のアーサー・ケネデイなど。

［　公開日　］

1966年8月24日　アメリカ公開
1966年9月23日　日本公開
1966年10月14日　イギリス公開
1966年11月28日　スペイン公開
1967年1月13日　フランス公開
1967年1月19日　オーストラリア Sydney 公開
1982年2月11日　スペイン再リリース
2010年10月20日　フランス再リリース

【　ストーリー　】

物体を細菌大に縮小し、長時間体内に浮遊しうる研究を完成したチェコの科学者ヤン・ベネス博士がアメリカに亡命してきた。
しかし、アメリカへ着くや敵側のスパイに狙われ、車に乗っているところを襲われ博士は脳出血を起こし倒れた。
現在のアメリカの医学では、博士の研究の初歩の段階までしか進んでおらず、体中に潜りこむことは1時間が限界だった。
だから、長時間潜行を知るためには1時間だけでも博士の脳内に潜り博士を助けねばならない。
医学史空前の試みがここに挙行された。
潜行艇に医師と科学者を乗せミクロ大に縮小し、それを博士の頚動脈に注射することにより、博士の脳内出血部に到達させ、レーザー光線で治療するというのであった。
潜行艇プロテウス号は、脳外科医デュヴァル（アーサー・ケネデイ）、その助手コーラ（ラクェル・ウェルチ）、循環器の専門医マイケルス（ドナルド・プリーゼンス）、海軍大佐オーウェンス（ウィリアム・レッドフィールド）、それに特別情報部員グラント（スティーブン・ボイド）の5人を乗せて博士の体内に潜入していった。
無論外部とはリモート・コントロールで絶えず緊密な連絡をとることは言うまでもない。
しかし、実際に潜行艇が血管内を潜行してゆくと思いがけないことが突発した。
血管の内皮壁に微細な割れ目があり、とかく艇の進行が遅れがちだし、心臓の鼓動は進行を妨げた。
彼らは60秒間博士の心臓を止めて、やっとのことで通過、さらにリンパ節内に入っていった。
しかしここでも海草のような網状ファイバーに絡まれ艇は壊滅寸前となった。
そこでグラントとコーラ、マイケルスが艇外に出て絡みついたファイバーを必死で除去、正に九死に一生の難事だった。
ようやく艇が脳に入った時、残る時間は6分しかない。
はたして、医療チームは無事治療を終え生還する事が出来るのか・・・？

【　余談　】

当時、日本で本作が紹介される際、「サルバドール・ダリが美術を担当」と記述されている場合があるが、これは映画公開の前年・1965年に作成された同名のリトグラフ「Fantastic Voyage」と混同された事によるもので、実際にはダリは映画には全く関わっていない。
にも関わらず、日本においては専門書の多くにその記述が見られ、スタッフロールを見れば一目瞭然であるにも関わらず誤った情報が広まっていた。
また、本作の脚本を基にアメリカの三大SF作家の一人である作家アイザック・アシモフが小説化しているが、本作の原作をアイザックの小説とする誤った記述が多々見られ、あくまで映画が先であり、小説を原作とする記述は誤りである。

【　スタッフ　】

監督：　リチャード・フライシャー
原案：　オットー・クレメント、ジェイ・ルイス・ビクスビー
脚本：　ハリー・クライナー
脚色：　デヴィッド・ダンカン
製作：　ソウル・デヴィッド
撮影：　アーネスト・ラズロ
アートディレクション：　デイル・ヘネシー、ジャック・マーティン・スミス
編集：　ウィリアム・B・マーフィー
音楽：　レナード・ローゼンマン
セット制作：　スチュアート・A・ライス、ウォルター・M・スコット
視覚効果（Visual Effects）：　L・B・アボット、アート・クリュックシャンク、エミール・コーシャ・Jr 、マーセル・デルガド
特殊効果（Special Effects）：　ジョニー・ボルゲス、グレッグ・C・ジェンセン
メイク：　Margaret Donovan 、Ben Nye

【　キャスト　】

グラント（通信・護衛担当）：　スティーヴン・ボイド
コーラ・ピーターソン（執刀医デュヴァルの助手）：　ラクエル・ウェルチ
デュヴァル博士（執刀医）：　アーサー・ケネディ
カーター将軍（作戦の総責任者）：　エドモンド・オブライエン
マイケル博士（医療部長）：　ドナルド・プレザンス
ドナルド・リード大佐（作戦主任）：　アーサー・オコンネル
ビル・オーエンス海軍大佐（潜航艇の艦長・開発者）：　ウィリアム・レッドフィールド
技術者：　ジェームズ・ブローリン
ジャン・ベネス：　ジーン・デル・ヴァル
バリー・コー
ケン・スコット
シェルビー・グラント
ブレンダン・フィッツジェラルド
ブレンドン・ブーン
ケネス・マクドナルド
クリストファー・リオーデン