ムカデ人間（2009）　～　洋画　ホラー　～

『ムカデ人間』（原題：The Human Centipede [First Sequence]）は、2009年に製作されたオランダ・イギリス合作映画。
常軌を逸した欲望にとりつかれ、禁断の人体実験に手を染める変態マッドサイエンティストの餌食となってしまった３人の男女の戦慄の運命をグロテスクな描写満載で描くホラー。
そのあまりにも悪趣味かつ不謹慎なテーマが各地で物議を醸し、世界中のホラー・ファンの間で大きな話題となったオランダ発の怪作。
監督・脚本は「Gay (2004)」「ムカデ人間2 (2011)」「ムカデ人間3 (2014)」のトム・シックス。
撮影は「Gay (2004)」のグーフ・デ・コーニング。
音楽は「American Maniacs (2010)」「Shadowland (2010)」「Hard Shoulder (2012)」のパトリック・サヴィッジ＆オレグ・スピース。
主演は「カタリーナ・ブルームの失われた名誉 (1975)」「地獄のライト・スタッフ (1977)」「ガラスの独房 (1978)」「ミーティング・ヴィーナス (1991)」「魔王 (1996)」「インジェクト/ガン特効薬の罠 (1997)」「ビタースウィート (2002)」「バルティック・ストーム (2003)」「もうひとりの女 (2006)」のディーター・ラーザー。
共演は「ウィロー (1988)」「Empty (2011)」「Paranormal Movie (2013)」のアシュリー・C・ウィリアムズ、「Absent Father (2008)」「American Maniacs (2010)」「ムカデ人間2 (2011)」「Schism (2013)」のアシュリン・イェニー、「LAマザーファッカー (2006)」の監督・脚本を務め俳優として「Nipples & Palm Trees (2012)」「SR サイタマノラッパーロードサイドの逃亡者 (2012)」「地獄でなぜ悪い (2013)」「クソすばらしいこの世界 (2013)」「TOKYO TRIBE (2014)」などに出演する北村昭博など。

［　公開日　］

2009年8月30日　イギリス London FrightFest Film Festival 上映
2009年9月26日　アメリカ Austin Fantastic Fest 上映
2009年10月8日　スペイン Sitges Film Festival 上映
2009年10月18日　アメリカ Screamfest Horror Film Festival 上映
2009年10月30日　フランス Fantastique Semaine du Cinéma 上映
2009年10月31日　イタリア Ravenna Nightmare Film Festival 上映
2009年11月6日　イギリス Leeds International Film Festival 上映
2010年2月27日　日本 Yubari International Fantastic Film Festival 上映
2010年4月16日　アメリカ Tromadance Film Festival 上映
2010年4月28日　アメリカ Video On Demand 上映
2010年4月30日　アメリカ New York City, New York
2010年5月14日　フランス Cannes Film Market 上映
2010年7月20日　韓国 PiFan Puchon Film Festival 上映
2010年7月24日　カナダ Fantasia Film Festival 上映
2010年8月20日　カナダ Toronto After Dark Film Festival 上映
2010年8月20日　イギリス limited 公開
2010年8月21日　ドイツ Berlin Fantasy Filmfest 上映
2010年8月28日　カナダ Toronto 公開
2010年10月4日　イギリス DVD発売
2010年10月6日　オーストラリア Blu-ray
2010年10月9日　フランス Nantes 公開
2010年11月13日　フランス Paris L'Absurde Séance 上映
2011年7月2日　日本 Tokyo 公開

【　ストーリー　】

ドイツ郊外。
NYからやってきた二人の若く美しいアメリカ人女性、リンジー(アシュリー・C・ウィリアムス)とジェニー(アシュリン・イェニー)はレンタカーでヨーロッパ各地を旅行していた。
だがある夜、彼女たちは道に迷い、タイヤがパンクして森の中で孤立してしまう。
携帯電話も電波圏外で繋がらず、二人は歩いて助けを求めることにする。
雷鳴が轟き、雨が降り出す中、二人はようやく一軒の大きな家の灯りを発見。
その家には引退した外科医のヨゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)が一人で住んでいた。
博士は二人をリビングへ通すと、電話をかけるふりをしながらグラスの水に睡眠薬を混入、何の疑いも無くその水を飲んだジェニーとリンジーは意識を失ってしまう。
二人は、博士自ら拉致してきた日本人男性カツロー(北村昭博)と共に、地下室に並べられた患者用のベッドに拘束される。
博士は、自分がシャム双生児の分離手術のエキスパートとして知られる外科医で、半年前に三匹の犬の口と肛門を結合させ一つの生命体に変えることに成功、今回それを人間で行うという。
A体、B体、C体の3つの人体の、ヒザの皿のじん帯を切除して四つん這いにさせ、A体の肛門とすべての歯を抜いたB体の口唇、同じくB体の肛門とC体の口唇を縫合して一体化させ、養分はAが口から摂取し、Bを通過してCの肛門から排泄させるというおぞましい手術、博士はそれを“ムカデ人間　第一シークエンス”と呼ぶのだった。
やがて手術が始まり、遂に博士念願の“ムカデ人間”は誕生した。
カツローを頭に、ジェニー、リンジーと繋がれた三人は、自らの異常な姿に泣きわめくが、博士はその姿を見て「美しい」と感涙にむせぶのだった。
博士は“ムカデ人間”を従順なペットにすべく調教を開始、だがカツローはことあるごとに博士に反抗し、人間の尊厳だけは失わず、常に脱走と逆襲の好機を狙っていた。
そんな中、刑事を追い払い、一安心して地下室に戻ってきた博士を“ムカデ人間”が手術用のメスで急襲、博士が気絶した隙に彼らは最後の力を振り絞って屋敷からの脱出を試みる・・・。

【　余談　】

・　本作は、日本では当初、DVDのみ発売予定であったが、ネット上で話題となった事で劇場公開される事となった。

・　ハイター博士の吹替を担当する若本規夫は、予告編のナレーションのみを務める予定だったが、ナレーションが好評であった事からハイター博士の吹替も担当する事となった。

・　カツロー役の北村昭博は、ロサンゼルス在住の日本人監督・俳優で、既に決まっていた「先頭部」の役者が来られなくなり代役としてオーディションを受けて採用された。
尚、脚本には台詞が無く監督の要望で北村が自分で台詞を考えた。
またこの映画の出演が切っ掛けとなり、TVドラマ「HEROES」のファイナル･シーズンにゲスト出演する事になった。

・　日本語吹替版では、北村が声優の起用を希望したため三宅健太が担当している（HEROESでも北沢力が吹き替えている）。

【　スタッフ　】

監督：　トム・シックス
脚本：　トム・シックス
製作：　イローナ・シックス、トム・シックス
製作総指揮：　イローナ・シックス
撮影：　グーフ・デ・コーニング
編集：　ナイジェル・デ・ホンド
音楽：　パトリック・サヴェッジ、オレグ・スピース
視覚効果（Visual Effects）：　トム・ダン、ライアン・ルイス、Simon Astbury 、Enge Gray　、Alex Jevon
メイク：　Rachel Elbertse 、Erik Hillenbrink　、Rob Hillenbrink
謝辞：　ピーター・ブランケンシュタイン、イングリッド・フレンチ　、Piet Bijlholt　、Silvia Davulcu　、Rikkie de Wit　、Mike Hostench　、Midori Inoue　、Eddy de Kroes 、Genna McWhinnie　、Nicola Pehle
日本版予告編ナレーション：　若本規夫
製作：　シックス・エンターテインメント

【　キャスト　】

ヨーゼフ・ハイター博士：　ディーター・ラーザー　（吹替：若本規夫）
リンジー：　アシュリー・Ｃ・ウィリアムズ　（吹替：辰巳知里）
ジェニー：　アシュリン・イェニー　（吹替：戸田亜紀子）
カツロー：　北村昭博　（吹替：三宅健太）
クランツ刑事：　アンドレアス・レウポルド　（吹替：石川和之）
フェラー刑事：　ピーター・ブランケンシュタイン　（吹替：平川大輔）
エイミー：　ローズマリー・アナベラ　（吹替：森永麻衣子）
バーント・コストロー
レーン・デ・ヴィット
Sylvia Zidek
Maurício d'Orey