くじけないで（2013）　～　邦画　ドラマ　～

『くじけないで』は、2013年11月16日より松竹配給にて公開された日本映画。
90歳を過ぎてから詩作を始め、98歳で出版した処女詩集がベストセラーとなる反響を呼んだ詩人・柴田トヨの詩を書きはじめた切っ掛けや、その半生を綴る感動のヒューマン・ドラマ。
原作は、詩人・柴田トヨの処女詩集「くじけないで」、及び第2詩集「百歳」。
監督・脚本は「自転車とハイヒール (2000)」「紀雄の部屋 (2003)」「狼少女 (2005)」「真木栗ノ穴 (2007)」「体育館ベイビー (2008)」「60歳のラブレター (2009)」「白夜行 (2010)」「神様のカルテ (2011)」「TWILIGHT　ささらさや (2014)」の深川栄洋。
撮影は「クレープ (1993)」「皆月（みなづき） (1999)」「でらしね (2002)」「死づえ　噂霊 (2005)」「長い散歩 (2006)」「素敵な夜、ボクにください (2007)」「櫻の園 -さくらのその- (2008)」「カケラ (2009)」「白夜行 (2010)」の石井浩一。
音楽は「余命 (2008)」TVドラマ「非婚同盟 (2009)」TVドラマ「花嫁のれん (2010)」TVドラマ「明日の光をつかめ (2010)」「京都太秦物語 (2010)」「わが母の記 (2011)」TVドラマ「シングルマザーズ (2012)」「はじまりのみち (2013)」の富貴晴美。
主演は「若い瞳 (1954)」「殉愛 (1956)」「ガス人間第１号 (1960)」「男はつらいよ　寅次郎夢枕 (1972)」「ブルークリスマス (1978)」「ハチ公物語 (1987)」「サトラレ　TRIBUTE to a SAD GENIUS (2000)」「阿修羅のごとく (2003)」「ディア・ドクター (2009)」「日輪の遺産 (2010)」「舟を編む (2013)」の八千草薫。
共演は、TVドラマ「３年Ｂ組金八先生」シリーズや「幸福の黄色いハンカチ (1977)」「刑事物語 (1982)」TVドラマ「１０１回目のプロポーズ (1991)」「プロゴルファー織部金次郎 (1993)」「ＭＡＫＯＴＯ (2005)」「私は貝になりたい (2008)」TVドラマ「ＪＩＮ　-仁- (2009)」「ストロベリーナイト (2013)」の武田鉄矢、「男はつらいよ　寅次郎かもめ歌 (1980)」「俺とあいつの物語 (1981)」TVドラマ「事件記者チャボ！ (1983～1984)」TVドラマ「太陽は沈まない (2000)」TVドラマ「こころ (2003)」TVドラマ「学校じゃ教えられない！ (2008)」「大人になった夏 (2010)」「少年Ｈ (2012)」の伊藤蘭、「武士の一分（いちぶん） (2006)」「母べえ (2007)」「感染列島 (2008)」「スノープリンス　禁じられた恋のメロディ (2009)」TVドラマ「八日目の蝉 (2010)」TVドラマ「美しい隣人 (2011)」「逆転裁判 (2011)」「ひまわりと子犬の７日間 (2013)」TVドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム (2014)」の檀れい、「半分の月がのぼる空 (2009)」「犬とあなたの物語いぬのえいが (2010)」「告白 (2010)」TVドラマ「マルモのおきて (2011)」「うさぎドロップ (2011)」「ライアーゲーム -再生- (2012)」「パシフィック・リム (2013)」「円卓　こっこ、ひと夏のイマジン (2014)」の芦田愛菜など。

【　ストーリー　】

2006年、宇都宮。
柴田トヨ（八千草薫）は明治、大正、昭和、平成と移りゆく世相を見つめてきて、今は一人暮らし。
夫の貞吉（鈴木瑞穂）に先立たれたのは寂しいが、デイサービスの助けも借りて日々の暮らしを楽しんでいる。
ただ一つ気懸かりなのは、一人息子・健一（武田鉄矢）のこと。
根は優しいが短気な性格で、これまでどの仕事も長続きしなかった。
60歳になった今も、職探しはそこそこに競輪場通い。
生活の方は、しっかり者の妻・静子（伊藤蘭）に頼りっきりだ。
トヨは時折、写真の中の貞吉に「お父さん、心配しないでください」と語りかける。
ある晩、トヨは勘違いからベッドを抜け出し、そのまま床の上で寝入ってしまった。
幸い体に別状はなかったものの、診療所医師の上条（上地雄輔）はトヨの目の異変に気付く。
心配する静子は「お母さん、やっぱり家にいらしてください」と言うのだが、トヨは微笑みながら首を振るばかりだ。
緑内障の手術の日。
念を押されていたにもかかわらず、病院に健一の姿はなかった。
その夜、妻に詰め寄られた健一は感情を爆発させ、「お袋はいっそ早く死んでくれた方がいい」と心にもない言葉を口走ってしまう。
そして次の瞬間、いつも愛情深かった母を思い出して深い後悔に襲われる。
手術は成功した。
だが日課の散歩に行けなくなったトヨは、急に元気をなくしてしまう。
ぼんやりしている日の増えたトヨを案ずる静子。
だが夫婦二人にも手狭な家では、引き取るのも容易ではない。
そんなとき、健一はふと新聞の片隅に『投稿詩人募集』の文字が出ているのを目にする。
「おっ母さん、詩を書きなよ。俺が教えてやるから」。
翌日、トヨの家に飛び込んできた健一は、こうまくしたてた。
「私が詩なんて書いてどうするの？」とトヨは不思議がるが、「季節のことや、毎日考えたことを詩にするんだ」と譲らない。
盛り上がる息子を見て、トヨもつい笑ってしまう。
「やってみようかね。いつでも人生これからだものね」「ああ、そうだよ、詩は情熱が大事なんだから」。
その日からトヨの詩作が始まった。
すっかり快活さを取り戻したトヨ。
何でもない日常の風景から言葉を紡ぎだしていくのが楽しくて仕方がない。
手繰りよせられた記憶は、やがて過去へと遡っていく。
健一が初めて静子を連れてきた日のこと。
その昔、まだ小さかった健一と駅まで夫・貞吉を迎えにいった幸せな日々。
戦争中、防空壕の中で貞吉と手を握り合った思い出。
やさしかった自分のおっ母さん。
そして幼い頃、父親の借金を返すために奉公に出たこと。
出会った人々、生きてきた時代が鮮やかに蘇る。
生きる喜びに満ちたトヨの言葉は、気が付けば周囲の人々にも、前向きな力を与えていった。
将来を悩んでいた上条医師や、登校拒否の娘を男手一つで育てるサラリーマンの藤巻（ピエール瀧）は、トヨからもらった詩に励まされ、自分を取り戻してゆく。
そんなトヨを見て、健一もやる気を出していた。
詩を綴る母親を二人三脚で指導しながら、静子が見つけてきてくれた印刷工場でアルバイトを開始。
同時に、トヨには内緒で作品を新聞の投稿欄に送り始める。
ある朝、トヨの詩が入選しているのを見つけて大喜びする健一。
お金が貯まったらこの職場でトヨの詩集を自費出版し、おっ母さんを驚かせてやろうと張り切る。
だがその矢先、印刷所の取引先に不渡りが出て、約束だった就職も自費出版も、すべて水の泡に・・・。
それでも諦めきれない健一は、妻が隠していた通帳を見つけだし、競輪場へと向かってしまう。それはトヨと同居する日のために、静子が少しずつ貯めていたお金だった・・・。

【　スタッフ　】

監督：　深川栄洋
企画・プロデュース：　橋口一成
原作：　柴田トヨ　『くじけないで』『百歳』（飛鳥新社刊）
脚本：　深川栄洋
プロデューサー：　吉田直子、浅岡直人
撮影：　石井浩一
照明：　椎原教貴
録音：　林大輔
美術：　松本知恵
装飾：　藤田徹、吉村昌悟
編集：　坂東直哉
音楽：　富貴晴美
音楽プロデューサー：　小野寺重之
スクリプター：　川野恵美
題字：　荒木経惟
助監督：　菅原丈雄
制作プロダクション：　松竹撮影所、AOI Pro.
制作協力：　松竹映像センター
製作：　「くじけないで」製作委員会（松竹、ビーエスフジ、AOI Pro. 、産経新聞社、スリーグッドラック、トライサム、ブレインウォッシュ、博報堂、東海テレビ放送）
配給：　松竹

【　主題歌　】

『　わたしのうた　』

歌：　由紀さおり

【　キャスト　】

柴田トヨ：　八千草薫
柴田健一（トヨの一人息子）：　武田鉄矢
柴田静子（健一の妻）：　伊藤蘭
柴田トヨ（若い頃）：　檀れい
柴田トヨ（幼少時）：　芦田愛菜
上条医師：　上地雄輔
藤巻（サラリーマン）：　ピエール瀧
柴田貞吉（トヨの亡夫）：　鈴木瑞穂
柴田健一（若い頃）：　尾上寛之
柴田静子（若い頃）：　黒木華
柴田貞吉（若い頃）：　橋本じゅん
柴田サト（トヨの母）：　倉野章子
柴田サト（若い頃）：　粟田麗
ヘルパーさん：　朝倉えりか
柴田健一（幼少時）：　池澤巧貢
藤巻ゆめみ（藤巻の娘）：　上神田らら
競輪場の中年コーチ：　でんでん
ハローワーク担当者：　池脇千鶴

　予告

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