パピヨン（1973）　～　洋画　クライム・ドラマ　～

『パピヨン』（原題：Papillon）は、1973年に製作されたアメリカ・フランス映画。
胸に蝶のイレズミをしている所から“パピヨン”というあだ名で呼ばれている男が、無実の罪で投獄され、１３年間にも及ぶ刑務所生活を強いられながら、自由を求め執拗に脱獄を繰り返し、ついに成功するまでを描くクライム・ドラマ。
原作は、1931年に無実を叫びながら終身刑となったものの、脱獄に成功し、後にベネズエラ市民権を取得したという1969年に発表されたアンリ・シャリエールの伝記小説「パピヨン」。
監督は「七月の女 (1963)」「大将軍 (1965)」「ダブルマン (1967)」「猿の惑星 (1968)」「パットン大戦車軍団 (1970)」「ニコライとアレクサンドラ (1971)」「海流のなかの島々 (1977)」「ブラジルから来た少年 (1978)」「スフィンクス (1980)」のフランクリン・J・シャフナー。
脚本は「潜水艦ＳＯＳ (1937)」「緑のそよ風 (1945)」「ローマの休日 (1953)」「栄光への脱出 (1960)」「スパルタカス (1960)」「ガン・ファイター (1961)」「フィクサー (1968)」「ホースメン (1971)」「ダラスの熱い日 (1973)」のダルトン・トランボと、「バットマン (1966)」「空から赤いバラ (1967)」「コンドル (1975)」「キングコング (1976)」「ハリケーン (1979)」「フラッシュ・ゴードン (1980)」「ネバーセイ・ネバーアゲイン (1983)」「ネバー・トゥー・ヤング (1986)」のロレンツォ・センプル・Jr。
撮影は「裏切り部隊 (1964)」「００１１ナポレオン・ソロ／地獄へ道づれ (1965)」「パットン大戦車軍団 (1970)」「タワーリング・インフェルノ (1974)」「がんばれ！ベアーズ特訓中 (1977)」「悪魔の棲む家 (1979)」「セカンド・チャンス (1983)」「イントルーダー／怒りの翼 (1990)」のフレッド・J・コーネカンプ。
音楽は「ネバダの決闘 (1959)」「駅馬車 (1965)」「猿の惑星 (1968)」「オーメン (1976)」「エイリアン (1979)」「ランボー (1982)」「トータル・リコール (1990)」「氷の微笑 (1992)」「インビジブル (2000)」「ネメシス／Ｓ.Ｔ.Ｘ (2002)」のジェリー・ゴールドスミス。
主演は「傷だらけの栄光 (1956)」「荒野の七人 (1960)」「大脱走 (1963)」「シンシナティ・キッド (1965)」「華麗なる賭け (1968)」「栄光のライダー (1971)」「ゲッタウェイ (1972)」「タワーリング・インフェルノ (1974)」「ハンター (1980)」のスティーヴ・マックィーン。
共演は「卒業 (1967)」「大統領の陰謀 (1976)」「クレイマー、クレイマー (1979)」「レインマン (1988)」「アウトブレイク (1995)」「コンフィデンス (2003)」「パフューム　ある人殺しの物語 (2006)」「ミート・ザ・ペアレンツ３ (2010)」のダスティン・ホフマンなど。

［　公開日　］

1973年12月16日　アメリカ公開
1974年　韓国公開
1974年2月6日　フランス公開
1974年2月21日　イタリア公開
1974年3月11日　イギリス公開
1974年3月23日　日本公開
1974年10月7日　スペイン Barcelona 公開
1974年10月16日　スペイン公開
1974年12月5日　香港公開
2006年4月13日　香港 limited　再リリース

【　ストーリー　】

胸に彫られた蝶の刺青があるところから、パピヨン（Ｓ・マックイーン）と呼ばれた男が、大勢の囚人と共にフランスの刑務所から、南米仏領ギアナの監獄に送られたのは肌寒い夜明けのことだった。
罪名は殺人だが、本当にやったのは金庫破りにすぎない。
国籍剥奪の上、二度と生きては帰れぬ“生き腐れの道”へ追放されるのは納得できなかった。
灼熱の海を渡る船中で、パピヨンはルイ・ドガ（Ｄ・ホフマン）を知った。
フランス中を混乱させた彼の罪状は国防債券偽造。
パピヨンは、脱走に必要な金を工面するために、ドガの金を狙う囚人から彼の生命を守ることを約束する。
夜蔭に乗じてドガを襲った二人の男をナイフで仕末して、二人の仲は深まった。
ギアナに到着して、サン・ローランの監獄に放り込まれた二人は、獄吏の買収に失敗し、ジャングルの奥の強制労働キャンプに送られる。
ワニが棲む沼地での材木切り出し、粗悪なねぐら。
囚人たちは次々に死んでいった。
数日後、ヘマをして看守に殴られるドガをかばったパピヨンは、銃弾を浴びせられ、川へ飛び込んで逃亡を計る。
だが、無計画だったために捕まり、二年間の島送りとなった。サン・ローラン西方の沖合いにあるサン・ジョセフ島の重禁固監獄は“人喰い牢”と呼ばれる恐ろしい独房だ。
吸血コウモリとムカデの住みかで天井は鉄格子。
陽はまったくあたらず、ひとかけらのパンとスープしかあたえられず、囚人たちは次々に死んでいく、暗黒の墓場だ。
ムカデ、ゴキブリをスープに入れて、餓死寸前のところでパピヨンは二年の刑を終えることができた。
サン・ローランに戻ったパピヨンは、ドガの助けを借りて、クルジオ（Ｗ・パーフリー）、ホモのマチュレット（Ｒ・デマン）と共に脱獄を試みた。
クルジオは捕えられたものの、三人は遂に自由の世界に降りたった。
ジャルグルでは、奇怪な刺青の男に救われ、さらに、ハンセン病患者の首領トゥーサン（Ａ・ザーブ）にヨットを与えてもらい、コロンビアとおぼしき海岸にヨットをつけることができた。
しかし、運悪くパトロール隊と遭遇し、パピヨンはジャングルに舞い込んだ。
ドガは捕えられ、マチュレットは銃弾に倒れ、パピヨンもパトロール隊が放った原住民の執拗な追跡に逃げおおせず、毒矢を射られて断崖から激流に落下していった。
意識を取り戻したパピヨンは、インディオ集落で手厚い看護を受けた。
ゾライマ（Ｒ・アッサン）という美しい娘とのロマンスも芽ばえる平和なひとときだったが、酋長の胸に自分と同じ蝶の刺青を彫ってやった翌朝、インディオたちはパピヨンに大粒の真珠を残し、忽然と姿を消した。
一旦は修道院に身をひそめたものの、院長の通告で捕えられ、パピヨンの苦難の逃走は失敗に終った。
五年後、サン・ジョセフ島での狐独な独房生活から解放されたパピヨンの髪は真白になっていた。
そして、悪魔島へ。
この島では手錠も足枷もなかったが、周囲は断崖で激流とサメが押し寄せ、脱出はとうてい不可能だった。かつてフランス中を騒然とさせたドレフェスも、そしてドガもこの島に流されていた。
ドガは、もはや祖国に帰る夢をなくし、孤独だが平和な日々に満足していた。
だがパピヨンは違う。
脱出のチャンスをうかがう彼は、試みにココナッツの実を海に投下し波の動きを調べる。
そして、断崖の下の入江に押し寄せる波は七つあり、その七つ目の波に乗れば沖へ出られることを発見した。
このパピヨンの脱出案にドガも心を動かされたが、ドタン場で決意が崩れた。
抱きあって無言の別れを告げる二人。
ココナッツの実をつめた包みを七つ目の波に落下させ、パピヨンは絶崖から身をひるがえした。見送るドガの眼には熱い涙がとめどもなく流れていた・・・。

【　スタッフ　】

監督：　フランクリン・Ｊ・シャフナー
原作：　アンリ・シャリエール　『パピヨン』
脚本：　ダルトン・トランボ、ロレンツォ・センプル・Jr
製作：　ロベール・ドルフマン、フランクリン・Ｊ・シャフナー
製作総指揮：　テッド・リッチモンド、ロバート・O・カプラン
撮影：　フレッド・J・コーネカンプ
音楽：　ジェリー・ゴールドスミス
編集：　ロバート・スウィンク
美術／プロダクションデザイン：　アンソニー・マスターズ
キャスティング：　ジャック・バウアー
アートディレクション：　ジャック・マックステッド
衣装デザイン：　アンソニー・パウエル
視覚効果（Visual Effects）：　アルバート・ホイットロック
特殊効果（Special Effects）：　アレックス・ウェルドン
メイク：　チャールズ・H・シュラム

【　キャスト　】

パピヨン：　スティーヴ・マックィーン
ルイ・ドガ：　ダスティン・ホフマン
酋長：　ヴィクター・ジョリイ
トゥーサン：　アンソニー・ザーブ
ジュロ：　ドン・ゴードン
マチュレット：　ロバート・デマン
クルジオ：　ウッドロー・パーフレイ
ウォーデン・バロット：　ウィリアム・スミサーズ
スペリオル（修道院長）：　バーバラ・モリソン
ラリオット：　ビル・マミー
パスカル：　ヴァル・アヴェリー
アントニオ：　グレゴリー・シエラ
サンティーニ：　ロン・ソブル
カタル（医師）：　ジョージ・カラリス
ゾライマ：　ラトナ・アッサン
巡査部長：　ヴィク・タイバック
守衛：　ミルズ・ワトソン
蝶貿易商：　ドン・ハンマー
E・J・アンドレ
リチャード・アンガローラ
ジャック・デンボー
レン・レッサー
ジョン・クエイド
フレッド・サドフ
アレン・ジャフィ
リーアム・ダン
ピーター・ブロッコ
リチャード・ファーンズワース
ビリー・M・グリーン
アン・バーン・ホフマン
フレッド・ラーナー
ハリー・モンティ
エレン・モス
ケン・マグルストン
ダルトン・トランボ

　予告

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