落下の王国（2006）　～　洋画　ファンタジー・アドベンチャー・ドラマ　～

『落下の王国』（ソフト題：ザ・フォール／落下の王国 / 原題：The Fall）は、2006年に製作されたインド・イギリス・アメリカ合作映画。
事故で下半身不随となり希望を失った青年と、骨折で入院中の一人の純真な少女との心の交流を、青年が少女に思いつくままに語るおとぎ話を美しい映像美で現実と空想の垣根を越えて展開する冒険ファンタジー。
原案は、1981年に製作されたブルガリア映画「Yo ho ho (1981)」（監督：ザコ・ヘスキジャ / 脚本：ヴァレリ・ペトロフ）から着想を得ている。
監督は、本作が長編映画第2作目となる「ザ・セル (2000)」「インモータルズ　-神々の戦い- (2011)」「白雪姫と鏡の女王 (2012)」のターセム・シン。
脚本は、本作の監督を務めるターセム・シンと、「フリージャック (1992)」「逃げる天使 (1994)」「トゥー・フォー・ザ・マネー (2005)」「ボーン・レガシー (2012)」のダン・ギルロイ、「ザ・セル (2000)」「インモータルズ　-神々の戦い- (2011)」「白雪姫と鏡の女王 (2012)」の製作を務めたニコ・ソウルタナキス。
撮影は、TVドラマ「アントラージュオレたちのハリウッド (2004)」のコリン・ワトキンソン。
音楽は「そして僕は恋をする (1996)」「アルテミシア (1997)」「８人の女たち (2002)」「狩人と犬、最後の旅 (2004)」のクリシュナ・レヴィ。
衣装デザインは、第38回カンヌ国際映画祭で芸術貢献賞、第65回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞した石岡瑛子が担当する。
主演は「上海の伯爵夫人 (2005)」「グッド・シェパード (2006)」「シャッフル２　エクスチェンジ (2007)」「ペティグルーさんの運命の１日 (2008)」「シングルマン (2009)」「ヒラリー・スワンク　ストーカー (2011)」「リンカーン (2012)」「トワイライト・サーガ／ブレイキング・ドーン Part 2 (2012)」のリー・ペイスと、本作がデビューのカティンカ・ウンタルー。

［　公開日　］

2006年9月9日　カナダ Toronto International Film Festival 上映
2007年2月10日　ドイツ Berlin International Film Festival 上映
2007年6月30日　アメリカ Los Angeles Film Festival 上映
2007年10月5日　スペイン Sitges International Festival of Fantastic and Horror Cinema 上映
2008年1月3日　ロシア公開
2008年5月9日　アメリカ limited 公開
2008年5月23日　アメリカ Seattle International Film Festival 上映
2008年6月13日　アメリカ Maui Film Festival 上映
2008年9月6日　日本公開
2008年9月9日　カナダ DVD発売
2008年10月3日　イギリス公開
2008年11月14日　スペイン公開
2008年12月4日　韓国公開
2009年3月12日　ドイツ公開
2009年6月14日　イタリア Biografilm Festival 上映
2010年9月14日　イタリア DVD発売

【　ストーリー　】

1915年。
映画撮影中に橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイ（リー・ペイス）は、私生活でも恋人を主演俳優に奪われ、自暴自棄になっていた。
そこに現れたのが、オレンジの樹から落下、骨折して入院していた5才の少女アレクサンドリア（カティンカ・アンタルー）。
自ら動くことのできないロイは、自殺するための薬を薬剤室から盗んでこさせようと彼女を利用することを計画。
彼女の気を引くために、思いつきの冒険物語を聞かせ始める。
それは、6人の戦士が総督オウディアスへ復讐を果たす物語。
弟を殺されたオッタ・ベンガ、妻を誘拐され死に追いやられたインド人、爆発物の専門家であるがゆえに危険分子とされたルイジ、幻の蝶の死骸を送りつけられた英国の博物学者チャールズ・ダーウィンと猿のウォレス、弟と共に死刑を宣告された仮面の黒山賊、そして、神聖な森を総督に焼き払われた霊者。
彼らが総督の牙城に向かう途中、総督の旗を掲げた山車に遭遇、鞭に打たれる奴隷たちを解放しようと6人は山車の扉の前に立つ。
中から姿を現したのは、扇で顔を隠した姫。
一行は姫をさらい、一旦隠れ家に戻り雌伏する。
その後、姫と黒山賊の間に愛が芽生え、結婚することになるが、式を取り仕切った司祭の裏切りによって一行は捕らえられる。
砂漠の真ん中に鎖で繋がれた戦士たち。
すると、ウォレスが入っていたはずの皮袋から仮面をつけたアレクサンドリアが出てくる。
彼女は黒山賊の縄をほどき、手に銃を持たせた。
しかし、先ほど飲んだ睡眠薬によってロイは意識を混濁させその場に倒れこんでしまう。
アレクサンドリアはロイに喜んでもらおうと再び薬剤室に忍び込むが、モルヒネの瓶を掴もうとした瞬間、転倒し床に落下する。
アレクサンドリアのベッドの脇で泣き崩れるロイ。
彼は彼女に作り話を聞かせていたことを告白する。
しかし、それでもアレクサンドリアは物語の続きをせがむのだった・・・。

【　主な受賞歴　】

・　第40回シッチェス・カタロニア国際映画祭
　　　　グランプリ（最優秀作品賞）

・　第57回ベルリン国際映画祭
　　　　クリスタルベアー特別賞（青少年部門［Generation 14plus］最優秀長編映画賞）

・　第31回トロント国際映画祭　オフィシャル・セレクション

・　映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」　第20位

【　余談　】

本作はCG映像に頼らず、構想26年、13の世界遺産と24ヶ国以上でロケを敢行し撮影期間4年を費やして製作された。

【　スタッフ　】

監督：　ターセム・シン
原案：　ヴァレリ・ペトロフ
脚本：　ダン・ギルロイ、ニコ・ソウルタナキス、ターセム・シン
製作：　ターセム・シン
共同製作：　ニコ・ソウルタナキス、ライオネル・コップ
製作総指揮：　アジット・シン、トミー・タートル、ロバート・バッカー、ローレット・マレー、Ray Leakey
撮影：　コリン・ワトキンソン
美術／プロダクションデザイン：　ゲド・クラーク
衣装デザイン：　石岡瑛子
編集：　ロバート・ダフィ
音楽：　クリシュナ・レヴィ
キャスティング：　ダニエル・ハバード、クリスタ・シャムバーガー
セット制作：　リッカルド・パリエーゼ、Cynthia Sleiter
視覚効果（Visual Effects）：　アラン・カルスー、ニコラス・ダニエル　、セヴェリーヌ・デ・ウィーヴァー、Cyrille Bonjean　、Habbah Bruno　、Emmanuelle Carlier　、Olivier Coulon 、Corentin De Saedeleer
特殊効果（Special Effects）：　フランコ・ガリアーノ、アダム・ハワース　、クリストフ・ラウエンシュタイン　、ウォルフガング・ラウエンシュタイン　、ジャレッド・マンレー　、Tiberio Angeloni 、Jim Buchan　、Andy Horn　、Prashant Naik　、Shakeel
メイク：　Kevin Epstein 、Kerry September　、Leon von Solms
謝辞：　Olivier Chiavassa
日本語字幕：　太田直子

【　キャスト　】

アレクサンドリア / 山賊の娘：　カティンカ・アンタルー
ロイ・ウォーカー / 黒山賊 / 青山賊：　リー・ペイス
片足の俳優仲間 / ルイジ：　ロビン・スミス
氷配達人 / オッタ・ベンガ：　マーカス・ウェズリー
オレンジ農園の使用人 / インド人：　ジットゥ・ヴェルマ
病院職員 / ダーウィン：　レオ・ビル
オレンジ農園の使用人 / 霊者（ミスティック）：　ジュリアン・ブリーチ
看護師エヴリン / エヴリン姫：　ジャスティン・ワデル
シンクレア / 総督オウディアス：　ダニエル・カルタジローン
医者 / アレクサンダー大王：　キム・ウィレンブローク
研修医 / アレクサンダー大王の使者：　エイダン・リスゴー
ウォルト・パーディ：　ショーン・ギルダー
アレクサンドリアの父親 / 黒山賊：　エミール・ホスティナ
オーガスティン司祭：　グラント・スウォンビー
オットー：　ロナルド・フランス
ホラス：　ニコ・ソウルタナキス
サバティーニ氏：　アンドリュー・ロッソー
ウィテカー医師：　マイケル・ハフ
霊者の長：　クトゥッ・リナ
泣いている女性：　カミーラ・ワルドマン
アレクサンドリアの母：　Elvira Deatcu
アレクサンドリアの姉：　エマ・ジョンソン
モーティ：　ジョン・ケイメン
アリス：　Karen Haacke
ミゲル・ヘルナンデス
オスカー・モレノ
デヴィッド・パラ
スティーヴン・ヒューズ
Ayesha Verman
Emma Maria Landberg