『 夢枕獏 とわいらいと劇場 』 は、1991年5月21日から11月21日にかけて、作風の異なる複数の作品を同時収録して刊行する学習研究社のビデオマガジン「レンタマン」(発売元ネクスタート)の1号から4号内のコンテンツとして毎巻収録され、1992年3月4日には「夢蜉蝣」「四畳半漂流記」「深山幻想譚」「骨董屋」の4話にエンディングを付加した単巻ビデオとして発売された日本のオリジナルビデオアニメ。
原作は、「魔獣狩り」「陰陽師」シリーズなど知られるSF作家・夢枕獏の伝奇幻想短編小説「悪夢喰らい」「魔獣館」に収録された同名短編小説。
監督には、「夢蜉蝣(ゆめかげろう)」「深山幻想譚」の監督にTVアニメ「科学忍者隊ガッチャマン(1972~1974)」TVアニメ「宇宙の騎士テッカマン (1975)」TVアニメ「破裏拳ポリマー (1974~1975)」TVアニメ「ニルスのふしぎな旅 (1980~1981)」「劇場版 宇宙戦士バルディオス (1981)」世界初のOVA「ダロス (1983~1984)」などの監督を務めたアニメーション監督及び小説家で、押井守の師匠でもある鳥海永行、「四畳半漂流記」の監督にTVアニメ「きまぐれオレンジ☆ロード (1987~1988)」TVアニメ「シティーハンター (1987~1988)」「AKIRA (1988)」「スプリガン (1998)」「千と千尋の神隠し (2001)」「イノセンス (2004)」「ゲド戦記 (2006)」などの原画を担当した橋本晋治、「骨董屋」の監督にTVアニメ「機動戦士ガンダムΖΖ(1986~1987)」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (1988)」「紅の豚 (1992)」「千と千尋の神隠し (2001)」「ハウルの動く城 (2004)」「鉄コン筋クリート (2006)」「ももへの手紙(2012)」などの原画を担当した大平晋也。
【 ストーリー 】
『 夢蜉蝣(かげろう) 』
大学2年の冴えない青年・壬生は、単位を落とした科目の追試を1年生と一緒に受ける羽目になった。
その試験の最中、不思議な光に包まれた女生徒に目を奪われる。
教室を後にするその女生徒を追う壬生の背後から「あの女に近づくな」という警告めいた言葉を投げかけられる。
先に出された答案用紙からその女生徒が綾部文緒という名前だと知る。
先日の試験で出会った綾部文緒の事が頭から離れない壬生は、どうやら彼女に一目惚れしまったようだ。
大学の文学研究室の部室で、試験で警告を告げた1年生の氷室と出会う。
警告の意味は何なのか問いただす為、氷室を屋上に連れ出す。
彼女を包む花の様な光は一体何なのか?
彼女は危険だという言葉の意味は?
氷室は言う・・・あれは「優曇華の花」だと。
その時、話を遮る様に壬生の友人が屋上にやってくる。
氷室は壬生の名前を知り驚く・・・「偶然か?」。
さらに氷室は綾部文緒には絶対に近づくなと警告するのだった・・・。
『 四畳半漂流記 』
美智彦は沙織という女性に恋をしていた。
今まで女性と上手く付き合えた事などなかった美智彦は、今度も上手くいく訳が無いと確信していた。
そのせいか、友達として沙織と会っている事が凄く辛かった。
美智彦は、年が明ける前に振られてしまえと沙織にクリスマスプレゼントを贈る事にした。
道中でヤクザ風の男に絡まれたところを、謎のサラリーマン風の男の救われる。
謎の男はヘムを無くしたので二人に探してほしいと頼むのだが・・・。
『 深山幻想譚 』
とある山中で夜を過ごす男がいた。
久しぶりに山に登り、自然を満喫している。
焚火で湯を沸かし、インスタントコーヒーを味わう。
男は、家を捨て失踪中の身であった。
ふと、残して来た妻の事に想いをはせる。
男は印刷工場を経営していたが、倒産し債権者たちに追われ逃げてきたのだった。
自分に掛けられている生命保険ですべてを清算する為、命を絶つ心算でいた。
そんな男の前に、一人の男が現れ山の個性について語り始める・・・。
『 骨董屋 』
織田は自分自身に嫌気がさしていた。
友人たちは会社で出世を果たし、趣味の絵で個展まで開いている。
織田は絵描きだったが、描きたかった油絵を諦め、生活の為に雑誌のイラストなどで何とかここまでやってきた。
ある夜、酒の席で友人たちに日頃の鬱憤から絡んでしまい自己嫌悪に陥っていた。
織田は、これまでの人生は夢で、目を覚ませば母に抱かれる幼き自分に戻っている事を願っていた。
帰り道で織田は、骨董屋を見つけ、引き寄せられる様に足を踏み入れる。
骨董屋の棚には、さほど価値の有りそうな物はなかったが、妙に気に掛かる物が沢山並んでいた。
織田にはどこかで見た事のある物ばかりである事に気づく。
骨董屋の主人は言う。
「これは皆、その昔、貴方が想いを込めて触れ無くしていった物ばかりでございます。」と・・・。
【 スタッフ 】
[ 統括スタッフ ]
企画製作 : 吉田尚剛(ネクスタート・創映新社) 、布川ゆうじ(スタジオぴえろ) 、永井隆(ダイナミック企画)
原作 : 夢枕獏
プロデューサー : 永井謙次 、梅崎浩志 、中村嘉男 、井上徹
製作 : ダイナミック企画 、スタジオぴえろ 、創映新社 、ネクスタート
[ 夢蜉蝣 ]
監督・絵コンテ : 鳥海永行
演出 : 青木佐恵子
キャラクターデザイン・作画監督・原画 : 梅津泰臣
美術監督 : 西川増水
撮影監督 : 佐野禎史
音響監督 : 斯波重治
音楽 : 見良津健夫
音楽制作 : LEGATO MUSIC
録音制作 : オムニバスプロモーション
録音スタジオ : 東京テレビセンター
タイトル : アズスタッフ
制作プロデューサー : 朴谷直治
アニメーション制作 : スタジオぴえろ
制作協力 : 中村プロダクション 、YAEGRINA 、信動画 、スタジオOM青森
[ 四畳半漂流記 ]
監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督 : 橋本晋治
監修 : 板野一郎
美術監督 : 石垣努
撮影監督 : 津田輝王
音響監督 : 本田保則
音響制作 : アーツプロ
音楽 : 見良津健夫
音楽制作 : ヒューマンミュージック
録音ディレクター : 鶴岡陽太
録音 : 梅林一夫
制作プロデューサー : 浦野ひろあき
スーパーバイザー : 宮下研史
アニメーション制作 : D.A.S.T
[ 深山幻想譚 ]
監督・絵コンテ : 鳥海永行
演出 : 青木佐恵子
キャラクターデザイン・作画監督・原画 : 鈴木信一
美術設定 : 吉原一輔
美術監督・背景 : 伊藤主計
撮影監督 : 佐野禎史
音響監督 : 斯波重治
音楽 : 見良津健夫
音楽制作 : LEGATO MUSIC
録音制作 : オムニバスプロモーション
録音スタジオ : 東京テレビセンター
タイトル : アズスタッフ
制作プロデューサー : 朴谷直治
アニメーション制作 : スタジオぴえろ
制作協力 : 中村プロダクション 、スタジオOM青森 、スタジオぴえろ福岡分室 、ソウルぴえろ
コーディネーター : 鳥海永行
[ 骨董屋 ]
監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督 : 大平晋也
監修 : 板野一郎
美術監督 : 長尾仁
編集 : 虫プロダクション
音響監督 : 本田保則
音響制作 : アーツプロ
音楽 : 見良津健夫
音楽制作 : ヒューマンミュージック
録音ディレクター : 鶴岡陽太
録音 : 今関種吉(タバックスタジオ)
録音スタジオ : タバックスタジオ
制作プロデューサー : うらのひろあき
スーパーバイザー : 宮下研史
アニメーション制作 : D.A.S.T
【 主題歌 】
『 月の宵、目覚めし時 』
作詞:紅玉 作曲・編曲:長内悟 歌:鶴ひろみ 主題歌製作:ユーメックス 、藤田純二
【 キャスト 】
[ 夢蜉蝣 ]
壬生 : 山寺宏一
綾部文緒 : 鶴ひろみ
永室 : 中村彰男
倉田 : 塩屋翼
試験官 : 立木文彦
学友A : 渋谷茂
学友B : 石田彰
学友C : 真殿光昭
[ 四畳半漂流記 ]
島田美智彦 : 飛田展男
沙織 : 小林優子
中年男・ミカエル : キートン山田
ルシフェル : 巴菁子
ヤクザ風の男 : 茶風林
[ 深山幻想譚 ]
私 : 田中秀幸
男 : 吉村よう
[ 骨董屋 ]
織田 : 麦人
織田 (青年時代) : 長谷有洋
敬子 : 佐々木るん
店主 : 加藤正之
井沢 : 河合義雄
山室 : 岡和男
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 商品情報 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
・ VHS&LD共に廃盤
* ごく稀に中古商品が流通している。