エクソシスト（1973）　～　洋画　オカルト・ホラー　～

『エクソシスト』（原題：The Exorcist）は、1973年に製作されたアメリカ映画。

20世紀も後半のワシントンで、12歳になる女優の孫に悪魔がとりつき、可憐な少女の肉体から悪魔を追放するために立ち上がった悪魔払い師(エクソシスト)の恐怖の戦いを描く。

原作は、メリーランド悪魔憑依事件を基に、1971年に出版されたウィリアム・ピーター・ブラッティの小説「エクソシスト」。

監督は「ソニーとシェールのグッド・タイムス (1967)」「フレンチ・コネクション (1971)」「ランページ／裁かれた狂気 (1988)」「ジェイド (1995)」「英雄の条件 (2000)」「ハンテッド (2003)」「ＢＵＧ／バグ (2007)」TVドラマ「ＣＳＩ：８　科学捜査班 (2007～2008)」「キラー・スナイパー (2011)」のウィリアム・フリードキン。

脚本は、本作の原作者である「暗闇でドッキリ (1964)」「のぞき (1966)」「地上最大の脱出作戦 (1966)」「銃口 (1967)」「空かける強盗団 (1969)」「暁の出撃 (1970)」「トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン (1980)」「エクソシスト３ (1990)」のウィリアム・ピーター・ブラッティ。

撮影は「フレンチ・コネクション (1971)」「サウス・ダコタの戦い (1976)」「告白 (1981)」「トッツィー (1982)」「殺したいほどアイ・ラブ・ユー (1990)」「アダムス・ファミリー (1991)」「ワイアット・アープ (1994)」「フレンチ・キス (1995)」のオーウェン・ロイズマン。

冒頭のイラク・ロケ撮影は「世界大洪水 (1933)」「１０億ドルの頭脳 (1967)」「風とライオン (1975)」「スペース・サタン (1980)」「ガンジー (1982)」「容疑者 (1987)」「ステラ (1990)」「シャドウ・オブ・ウルフ (1993)」「ドリフトウッド／硝子の檻 (1997)」のビリー・ウィリアムス。

音楽は「キリング・フィールド (1984)」「エクソシスト／ディレクターズ・カット版 (2000)」のマイク・オールドフィールド。
出演は「さよならチャーリー (1964)」「アリスの恋 (1974)」「男が女を愛する時 (1994)」「この森で、天使はバスを降りた (1996)」「レクイエム・フォー・ドリーム (2000)」「シャーロットのおくりもの (2006)」「アナザー・ハッピー・デイ　ふぞろいな家族たち (2011)」のエレン・バースティン、「第七の封印 (1956)」「さらばベルリンの灯 (1966)」「コナン・ザ・グレート (1982)」「砂の惑星 (1984)」「ジャッジ・ドレッド (1995)」「ヒマラヤ杉に降る雪 (1999)」「マイノリティ・リポート (2002)」「ロビン・フッド (2010)」のマックス・フォン・シドー、「殺人光線 (1934)」「影なき殺人 (1947)」「波止場 (1954)」「栄光への脱出 (1960)」「マンハッタン無宿 (1968)」「追跡者 (1970)」「虹をわたる風船 (1974)」「謎の爆破犯人 (1976)」のリー・J・コッブ、「秘密組織・非情の掟 (1974)」「ドッグチェイス (1977)」「デイン家の呪い (1978)」「トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン (1980)」「バチカンの嵐 (1982)」「エクソシスト３ (1990)」「偽証／殺人者は２度裁かれる (1995)」のジェイソン・ミラー、「エアポート'７５ (1974)」「ローラー・ブギ (1979)」「ヘルナイト (1981)」「チェーンヒート (1983)」「アウトライダー (1988)」「ベッドルーム・アイズ (1989)」「硝子のパートナー (1991)」「ＳＫＩＮＳ（スキンズ）／超暴力集団 (1997)」のリンダ・ブレアなど。

[　公開日　]

1973年12月26日アメリカ公開
1974年3月16日イギリス公開
1974年7月6日日本公開
1974年9月11日フランス公開
1974年10月4日イタリア公開
1998年10月30日イギリス再リリース
2000年3月17日アメリカ limited 再リリース
2000年9月22日アメリカリストアバージョン公開
2000年10月7日日本リストアバージョン公開

2000年10月18日　スペインリストアバージョン公開
2000年11月2日香港リストアバージョン公開
2000年12月1日イタリアリストアバージョン公開
2001年3月14日フランスリストアバージョン公開

2001年3月15日　ドイツリストアバージョン公開
2001年3月22日　オーストラリアリストアバージョン公開
2001年5月19日　韓国リストアバージョン公開
2010年9月30日アメリカ limited 再リリース

【　ストーリー　】

イラクでの遺跡発掘を調査していたメリン神父は、悪霊パズズの像を発見する。
それは、十年前にアフリカで彼と死闘を交えた悪霊であった。
メリン神父は「この邪悪な宿敵と再戦する日が近い」と予感する。
パズズのターゲットは、アメリカ合衆国であった。
女優のクリスは、映画撮影のためワシントンに滞在していたが、一人娘であるリーガンの異変に気付く。
その声は邪悪な響きを帯び、形相も怪異なものに豹変、荒々しい言動は日を追って激しくなり、ついには医者からも見放される。
その矢先、友人のバーク監督がクリス宅で殺害される事件が発生。
キンダーマン警部補が捜査に乗り出す。
そして、悪魔はリーガンに十字架で自慰行為をさせ、バークの声を使ってクリスを嘲笑する。
娘が悪霊に取り憑かれたと知ったクリスは、カラス神父に悪魔払いを依頼する。
悪魔憑きに否定的なカラス神父であったが、調査を進めていくうちに、リーガン自身からの救済のメッセージを発見する。
カラス神父は悪魔払いの儀式を決意、大司教に許可を依頼する。
主任には、悪魔払いの経験があるメリン神父が選ばれた。
そして二人の神父は、少女リーガンから悪霊を追い払うため、壮絶な戦いに挑む・・・。

【　主な受賞歴　】

・　アカデミー賞

　　　脚色賞　（ウィリアム・ピーター・ブラッティ）
　　　音響賞　（クリス・ニューマン、ロバート・ニュードスン）

【　余談　】

・　マックス・フォン・シドーやリー・J・コッブなど格調高い出演陣に加え『フレンチ・コネクション』でアカデミー監督賞を受賞したウィリアム・フリードキンの確かな演出によって、これまでの恐怖映画とは一線を画す完成度の高い作品となっており、公開から35年以上経過した現在でも高く評価されている。

・　公開当初、リーガン役はリンダ・ブレアが一人で演じたとされ、スタントのアイリーン・ディーツ、悪魔憑き状態の声を吹き替えたメルセデス・マッケンブリッジらの名前がクレジットされなかった。
このため、ディーツはクレジットを求めて訴訟を起こした（現在流通するソフト版にはクレジットが入っている）。

・　当初アメリカではR指定（17歳未満は保護者同伴）で公開されたが、世論に押される形で規制を強化、18歳未満は鑑賞できなくなった。

また、イギリスではX指定（成人映画扱い）で公開され、本作のテレビ放映ならびにビデオ販売は1999年まで許可されなかった。

・　ブラッティらの意に反して「悪魔の勝利を描いた映画」とする見方が広まったため、数度にわたってエンディングの変更が検討された。
しかし、予算の関係から、内容の変更は25周年記念版まで持ち越された（当初撮影されていた、キンダーマン刑事とダイアー神父のその後の交流を感じさせるような、暖かみのあるエンディングが復活。

尚、この2人の友情はブラッティ自身がメガホンを取った完結編『エクソシスト3』に引き継がれている）。

・　撮影中の緊張感を高めるため、拳銃やショットガンをスタジオに持参していたという逸話がある。
実弾が装填されていたかどうかは不明。

【　スタッフ　】

監督：　ウィリアム・フリードキン
原作：　ウィリアム・ピーター・ブラッディ

脚本：　ウィリアム・ピーター・ブラッディ

製作：　ウィリアム・ピーター・ブラッディ
製作補：　デヴィッド・サルヴェン
製作総指揮：　ノエル・マーシャル

撮影：　オーウェン・ロイズマン、ビリー・ウィリアムズ（イラク担当）

美術／プロダクションデザイン：　ビル・マレイ

セット制作：　ジェリー・ワンダーリッチ
衣装デザイン：　ジョセフ・フレットウェル・III

編集：　ノーマン・ゲイ、エヴァン・ロットマン

キャスティング：　ルイス・ディジャイモ、ネサ・ハイアムズ、ジュリエット・テイラー
音楽：　マイク・オールドフィールド
テーマ曲：　「チューブラー・ベルズ」（マイク・オールドフィールド）
追加音楽：　ジャック・ニッチェ
特殊メイク：　ディック・スミス、William A. Farley
特殊効果（Special Effects）：　リック・ベイカー、マルセル・ヴェルコテレ

視覚効果（Visual Effects）：　ジェニファー・ロウ=スタンプ、マーティン・ホール、マット・リンダー、Marv Ystrom
タイトル・デザイン：　ダン・ペリ
字幕翻訳：　高瀬鎮夫

【　キャスト　】

リーガン・マクニール：　リンダ・ブレア
クリス・マクニール：　エレン・バースティン
デミアン・カラス神父：　ジェイソン・ミラー
ランカスター・メリン神父：　マックス・フォン・シドー
キンダーマン警部：　リー・J・コッブ
ジョー・ダイアー神父：　ウィリアム・オマリー（イエズス会神父）
シャロン：　キティ・ウィン
バーク・デニングス：　ジャック・マッゴーラン
メアリー・カラス（カラス神父の母）：　バシリキ・マリアロス
パズズの声：　マーセデス・マッケンブリッジ

バートン・ヘイマン
ピーター・マスターソン
ルドルフ・シュントラー
ジナ・ペトルーシュカ
ロバート・シモンズ
アーサー・ストーチ
レヴァレンド・トーマス・バーミンガム
ティトス・ヴァンディス
ウォーレス・ルーニー
ロン・ファーベル
ドナ・ミッチェル
ロイ・クーパー
ロバート・ガーリンジャー
ビル・ブラッティ
メアリー・ボイラン
ディック・カリナン
メイソン・カリー
アイリーン・ディーツ
イヴォンヌ・ジョーンズ
ジョン・メイホン
レヴァレンド・ジョン・ニコラ
ヴィンセント・ラッセル
Paul Bateson
Joanne Dusseau

　予告

　　↓
TRAILER